個人向け融資と法人向け融資、銀行の融資バランスを探る金融庁

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ちょっと前に、金融庁が銀行の個人向け融資、とりわけカードローンの扱いに注力しているのを問題視していると報道されていました。

当サイトでも書いています。
 ⇒銀行融資 個人頼み マイナス金利1年~日経新聞より

個人向け融資の中でもカードローンは金利を高く設定できるので、銀行はそこに注力しているという話です。
カードローンの場合は他の銀行融資とは異なり、毎月一定額の返済をしていれば、設定された融資限度額を上限に何度でも繰り返し借りることができます。
変な話、月の返済に充てるお金がなくても、上限いっぱい借りてなければ返済額分をカードローンで借りてカードローンの返済に充てるという自転車操業も可能なわけです。5000円が返済額であれば、5000円を借りてすぐに返済の方に回すわけですね。利息分の借金が増えることになりますが急場はしのげます。

旧来の融資は最初にまとまったお金を一気に借りたら後は返済のみですから、返済するお金に困ってもどうしようもありません。銀行の融資担当に相談するくらいしか手はないわけでで、この点でカードローンは旧来の融資とは大きく異なるわけです。

それゆえに、利用者の中には借金をしているという感覚が薄れてしまい、気づいたら借金地獄に陥っていたなんていうケースもあります。

金融庁が問題視しているのはまさにそこの部分で、審査が甘いのではないか、限度額の増額が安易なのではないか、そしてそうした状況を背景に多重債務者が増加する要因になりはしないかと警戒しているということです。実際、昨年2016年の自己破産者はここ数年の減少傾向から一転して増加しています。その背景には銀行カードローンの利用者増加がある、という見方をしていても不思議ではありません。

従来の銀行融資のようにしっかりと審査をし、返済能力の見極めができていれば問題ありませんが、最近ではアコムやプロミスといった大手消費者金融が銀行カードローンの審査や保証を請け負うことを事業として展開しています。つまり、銀行のカードローン審査に入り込んでいるわけで、『銀行カードローンといっても審査は消費者金融に丸投げになっているのでは?』といった目を向けられることもあります。場合によっては銀行融資というよりは消費者金融の隠れ蓑になっているのではといった見方をされかねない状況です。

こうした状況を受けて、金融庁は銀行サイドと話し合いの場を持つと言っており、近いうちに銀行カードローンの審査に関して何らかの変化があるのではという見方も出てきているようです。

と、ここまでは『貸しすぎでは?』という視点での話です。

これとは反対に、金融庁は『貸さな過ぎでは?』という視点も持っているようです。どういうことかというと、金融庁には、中小企業から、『銀行が融資をしてくれない』といった情報もたくさん入っているようです。

地方銀行など地域金融機関が、中小企業の新たな事業への融資を増やさないといった指摘を受け、金融庁が異例の実態調査を始めた。これまでは監督する金融機関を通じた調査が主だったが、中小企業へのアンケートを実施。融資の実態を調べ、金融機関に積極融資を促す。

朝日新聞デジタルより

記事によると、地方銀行が担保や保証がない融資に消極的だという中小企業からの指摘が相次いでいるそうです。事業資金に困った経営者がまず駆け込むのは銀行です。そこで融資が受けられなければ、最悪、倒産の憂き目にあってしまいますから経営者も必死ですが、銀行側は焦げ付きを恐れて融資しない。本来はマイナス金利で銀行の企業融資が活発になり、景気上昇を後押しするという筋書きだったのが、実際には銀行は企業に融資せずに個人にばかり融資している、しかもその個人向け融資は消費者金融が審査や保証を請け負った担保も保証人も不要のカードローンがメイン、、、ということです。

金融庁にしてみたら、もう少し法人融資に軸足を移しましょうよということなのでしょう。日本型金融排除として問題視し、改善を促すそうです。

こういう状況を見ていくと、やはり、銀行カードローンの審査はこれから厳しくなるかもしれません。

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